お手入れ How To
水やり
盆栽は小さい鉢の中で培養するものです。そのため土の量は限られ、土中水分量も微量なものです。
ですから水を人の手であげなければ盆栽は枯れていってしまいます。
◆水やりは“乾いたらあげる”が基本です
盆栽は人が水をやり続けなければ枯れてしまうもの。ではどのように水の管理をして行けばいいのでしょうか。
基本的な水やりの考え方は、土の表面が乾いたら水やりをするということです。
樹がお腹を空かせてからたくさん水をあげると、根が活発に水を吸い上げるのです。
◆水やりの頻度
樹は生き物ですから季節に合わせて活動期〜休眠期に移り変わります。
もちろん水を吸い上げる量も変わってきますので、季節に応じた水管理が重要になります。
環境や樹の状態によっても変わりますが、水やり回数の目安はこちらです。
・夏:1日2回
・春秋:1日1回
・冬:2〜3日1回
樹の状態や環境・地域による違いがありますので、日々の水管理の中でご愛蔵の盆栽の最適な水管理を模索してみてください。
◆水は優しくたっぷりと
水やりはジョウロかシャワーなどで土をこぼさないようにゆっくりと優しくあげるようにしてください。
盆栽の鉢の隅々まで水が行き届くよう、水はたっぷりと鉢底から水が溢れ出るくらいが目安です。
置き場所
盆栽は屋外管理が基本です。
理想的な置場は日当りと風通しが良い場所ですが、難しければ敷地内で一番日が入る場所で良いと思います。
地表から50〜60cmほどの高さの棚だと、風通しが良く日々の水やりやお手入れもやり易いのでオススメです。
室内に取り込んで鑑賞する場合は3日〜5日を目安にし、冷暖房が直接かからない所で鑑賞してください。
◆夏の強烈な日差しを遮る
真夏の猛烈な日差しは私達人間も厳しい思いをさせられてしまいますが、それは盆栽達も同じです。
特に夕方の西日は強烈なので、出来る限りのサポートをしてあげましょう。
6月の下旬から9月の上旬までは非常に強い日差しがさしこみますので、期間中は遮光ネットで直射を遮ってください。
また、コンクリや石などは照り返しが強いので、それらの上に置いている盆栽は木製の台や板の上に移してあげると良いでしょう。
◆寒風から盆栽を守りましょう
真冬の寒さも非常に厳しい環境です。
特に寒風は盆栽がダメージを負う原因になってしまう事が多いので、
寒さに弱い雑木類や展示会を控えている盆栽・植え替えを行った盆栽などは風のあたりにくい場所へと避難してあげましょう。
避難場所は室(むろ)やビニールハウスがベストですが、難しければなるべく風が通らない場所で管理をしてください。
つい立て等で簡易的に風を防いでやる事でも効果があります。
植え替え
植え替えは樹の健康を維持するために重要な作業です。
狭い鉢の中は1年から3年で細かい根が土いっぱいに張り巡り、水も空気も容易に入る事が出来なくなります。
こうなると盆栽は元気が無くなり、美しい姿を維持出来なくなってしまいます。
そうなる前に古い根と土を取り除き新しい用土と交換をしてあげる必要が出てきます。
◆植え替え周期は
ではどの程度の周期が目安かと言うと、ほとんどの雑木類は毎年、松柏類は3年に一度、古い樹だと5年に一度、が目安です。
周期については例外的な樹種もありますし、樹や配合用土の違いもありますので、ご自身で確認する事が大事です。
判断の材料としては、土が固まって水がしみ込み難い状態になっていないか、表土に浮き根が発達してきていないか、などです。
◆植え替え適期は
植え替えの適期は春ですが、秋でも植え替えは可能です。
どちらの季節に植え替えたものでもその後の管理が重要で、春であれば活動期に入るので水の管理、
秋であれば冬の寒さからの防御を怠らないよう注意してください。